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バナー ぶっ濃いソースで、お疲れブチ抜く! 疲れブチ抜く野球部2

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CMサムネイル 疲れブチ抜く野球部2 篇
  • 30秒30秒
  • 15秒15秒
  • 野球の次はラグビーだ。
    「ONE FORソース, ALL FORソース」
    青春と書いて、焼そばと読む夏。
    流れる汗に、根拠はいらない。

  • 「たくさん焼そばをすすれたほうが、マネージャーに告白できる」
    俺とアイツは、チームに隠れてそんな約束をしていた。
    仲間が知ったら、バカだなって言うかもしれない。
    でも、不器用な俺たちには、そんな決め方しかできなかった。

    チームメイトであり親友。もちろん、恋のトライも、一緒にスクラムを組みながら進みたい。
    けれど、おんなじ人を好きになってしまったのだから、
    ジャッカルするしかない。恋愛にノーサイドはないのだから。

    何も知らずに円陣を組むキャンプテン。「食うぞ!」の掛け声がグラウンドに響く。 練習の疲れも、嫉妬も、恋心もぜんぶ、ソースに絡めて、ぐっと飲み込んだ。
    でもどちらかが勝つってことは、どちらかが諦めるってこと、
    気づくと俺は、涙を流しながら麺をすすり、そして、勝っていた。

    心配すんな。必ず彼女を幸せにする。
    そんな想いがアイツに届くように俺は叫んだ。
    「爆盛りも!」

  • 「スポーツ的に正しくない!」
    現場では助監督が声を荒げていた。ラグビー経験者である彼は、
    CMという虚像が、ラグビーを汚すことが許せなかったのだろう。
    ぶつかり合いを撮るために、ぶつかり合っていた。
    私たちだって嘘は撮りたくない。
    でも、怪我のリスクを考えるとこれ以上は…と弱気になっていると、
    ひよってる奴いるかぁ?と言わんばかりに
    「それでもやりたいです」と一人の選手が言った。
    「2テイク。それ以上はやめましょう」プロデューサーがなんだか勝手に覚悟を決めた。
    もう何のCMなのかわからないくらい、
    ラグビーにみんなが本気になり、撮影もノーサイドへ。
    誰ひとり怪我人を出すことなく、本物のラグビーをおさめることに成功したのだ。
    そして、CM内では3.5秒ほどだけ使われ、残りは結構カットされた。
    夏ってやつは、相変わらず情熱的で残酷ですね。

CMサムネイル 疲れブチ抜く野球部 篇
  • 30秒30秒
  • 15秒15秒
  • もうふざけたCMは必要ない。
    72名の野球部がU.F.O.を貪り食うその姿で、
    「ぶっ濃いソースが、青春の疲れまでもブチ抜く」ことを証明する。
    マキシマム ザ ホルモンのアンセムが鳴り響く春。
    これが日清焼そばU.F.O.なりの青春。

  • 「学生時代、力を入れていたことはなんですか?」
    世では、”ガクチカ”と呼ばれる就活ではお馴染みの質問だ。

    僕は自信をもって答えた。
    「野球です。どんな辛い練習も、毎日乗り越えました」
    「具体的にどうやって乗り越えましたか?」
    面接官に追及された。ここでは、問題解決力が問われている、
    頭ではわかっていても、僕はつい口を滑らせてしまった。

    「U.F.O.を食べて、乗り越えました」
    「なぜ、U.F.O.を?」
    「ぶっ濃いソースが疲れをブチ抜くんです」
    「……」

    静かな時間だった。
    この世に音なんかなかったと思わせるくらい、沈黙が続いた。
    その後の記憶はない。

    気づいたら、僕は家に帰ってU.F.O.を食べていた。
    ぶっ濃いソースは、精神的な疲れもブチ抜いた。
    また明日からも、頑張ろう。
    疲れたら、またU.F.O.を食べればいい、
    僕は、自分にそう言い聞かせた。

  • かつてないほど順調に進む撮影。
    最高の映像ができあがると、
    誰もが確信した瞬間、事件は起きた。

    「これ、蕎麦食ってるように見えないですか?」

    まさに凡ミス。いや、盆ミスだった。
    真っ黒なお盆を使った途端、
    和食を食べているようにしか見えないという
    わたしたちの大和魂が邪魔をした。

    さすがにこれだけの人数の別のお盆を、
    用意できるわけない。終わった…。
    すると、ひとりのスタッフが口を開いた。

    「あれ?昼飯食べたところのお盆借りれないですか?」

    そうして、濃いグレーのお盆で撮影は行われた。
    9回裏2アウトからの逆転満塁ホームランだった。